2026/8/21 / ジムカーナ / GRIDLINE 編集部

全日本ジムカーナのスタートとフィニッシュ|計時・合図・減速レーンの2026年規則

全日本ジムカーナの競技走行は、スタート地点を発進し、フィニッシュラインを通過すれば終わり、というだけではない。計時を始めるコントロールライン、旗による合図、発進が遅れた場合の扱い、フィニッシュ後の減速区間まで、2026年のJAF統一規則に共通手順が定められている。

本稿では、タイムに直接関わるスタートとフィニッシュの規則に範囲を絞る。大会ごとの集合時刻、待機場所、車両間隔は全国共通値ではないため、特別規則と公式通知で別途確認する必要がある。

スタート前にコースの最終点検が入る

2026年全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権統一規則第14条は、スタート前にコース査察車が最終点検走行を行うよう定めている。査察車は赤旗または赤色ライトを表示しながら走行する。

この赤表示は、競技車両に対するスタート合図ではない。コースが競技走行を受け入れる前の点検段階である。参加者は待機列に入っていても、前車が離れたことだけを根拠に発進せず、正式なスタート指示を待つ。

スタートは原則としてゼッケン順で、方式はランニングスタートとされる。クラスごとのスタート順を保安上または不可抗力により変更する場合は、競技会審査委員会の承認を受け、公式通知で内容が示される。現場で順番が変わったように見える場合も、年間順位や第1ヒートの成績から並びを推測せず、最新版の通知を確認したい。

スタート合図は国旗またはクラブ旗

統一規則第20条の信号表示では、国旗またはクラブ旗がスタート合図に割り当てられている。大会が灯火信号など統一規則にない方法を使用する場合は、バックアップ体制を含めて特別規則に記載される。

つまり、灯火式が使われる大会の操作方法を別大会へそのまま当てはめることはできない。参加者が事前に確認する資料は、統一規則だけでなく、当該大会の特別規則、公式通知、ドライバーズブリーフィング資料である。

スタート指示に従わない場合は、そのヒートの出走権を失う。スタート合図後に速やかにスタートしない場合は、当該ヒートの走行タイムへ5秒加算。反則スタートも同じく5秒加算となる。単なる操作ミスが「タイムを少し失う」だけで済むとは限らず、規則上のペナルティーが別に加わる点に注意が必要だ。

計時開始は最初のコントロールライン

第22条によれば、計測は競技車両が最初のコントロールラインを横切った時に始まり、最終のコントロールラインを横切った時に終わる。旗が動いた瞬間を人が目視して秒時計を押す方式が、通常の公式計時ではない。

自動計測機器は1,000分の1秒以上まで計測し、その結果が成績となる。さらに独立した自動計測器によるバックアップ体制を取り、センサーはコントロールライン上で位置と高さを統一し、外的要因から保護することも規定されている。

自動計測が不能になった場合に限り、2個以上のストップウォッチで1,000分の1秒以上まで計測し、その平均タイムを成績とする。通常計測と非常時の代替手段を分けて定めることで、一つの機器の不具合だけで成績を決めない構成になっている。

コントロールラインに設置された計測機器へ車両が接触した場合は、そのヒートが無効になる。スタート直後やフィニッシュ直前に最短距離を狙う場合でも、センサー設備への接触は単なる器物接触ではなく、競技結果に直結する。

チェッカー旗と計時終了を分けて理解する

信号表示上、チェッカー旗はゴール合図である。一方、タイムの終了条件は最終のコントロールラインを車両が横切った時と明記されている。観客から見た旗の提示と、計測装置が記録する瞬間を混同しないことが大切だ。

黄旗はパイロン移動・転倒・脱輪、黒旗はミスコース、赤旗は危険があるため直ちに停止、緑旗はコースクリアを示す。走行中に赤旗が表示された場合、競技車両はただちに競技走行を中止し、オフィシャルの指示に従う。赤旗時に「とにかくフィニッシュまで走ればタイムが残る」と判断してはならない。

再出走の可否や順番は中断状況と競技役員の判断に関わる。今回参照した統一規則だけから、すべての赤旗で自動的に再出走できるとは一般化できない。

フィニッシュ後はその場で停止しない

タイム計測が終わっても、安全上の走行手順は続く。第16条は、フィニッシュライン後の直線区間を減速レーンとし、そこで一旦停止せず、最徐行で移動するよう定めている。

停止する場所は減速レーンを通過した後、パドックへの導入路である。そこで一旦停止してからパドックへ移動する。フィニッシュ直後に急停止すると、後続車やコース運営に影響するため、計測終了と車両停止を同じ地点にしていない。

競技コース以外の会場内移動も最徐行で、ウォームアップランやブレーキテストは禁止される。走行を終えた後にタイヤやブレーキの感触を確かめる目的でも、パドック動線を試走区間として使うことはできない。

当日の確認項目

参加前には、次の順序で資料と現場指示を確認したい。

  1. 特別規則でスタート方法、待機場所、タイムスケジュールを確認する。
  2. 公式通知でクラス順や進行の変更を確認する。
  3. ブリーフィングで灯火信号、旗、待機列への入り方を確認する。
  4. スタート地点では競技役員の指示と正式な合図に従う。
  5. フィニッシュ後は減速レーンで停止せず、最徐行で導入路へ進む。

全日本ジムカーナのタイムは、最初から最後のコントロールラインまでを自動計測する。その前後には、スタート指示への服従と安全な減速という別の義務がある。速く走る区間だけでなく、発進前と計測終了後までを一連の競技手順として準備する必要がある。

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