全日本ダートトライアルのスタートとフィニッシュ|合図・計時・減速レーンを確認
全日本ダートトライアルでは、スタートからフィニッシュまでを速く走るだけでなく、合図、走行順、計時線、走行後の移動にも規則がある。スタート指示に従わない場合や反則スタートには、そのヒートの権利やタイムに直接影響する扱いも定められている。
本稿は2026年全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権統一規則の第14条、第16条、第20条、第22条、第24条を中心に、1回の走行を時系列で確認する。出走順そのものの決め方や再出走の条件は別の主題であるため、ここではスタート地点から減速レーンまでに絞る。
スタート前にコース査察車が最終点検する
統一規則第14条は、スタート前にコース査察車(マーシャルカー)が赤旗または赤色ライトを表示しながら最終点検走行を行うと定める。競技車両が走り出す前に、コースを確認する段階が置かれている。
参加車両のスタートは、原則としてゼッケン順だ。保安上の理由または不可抗力によって、当初定めたクラスごとの順番を変更する場合は、競技会審査委員会の承認を得て、変更内容を公式通知で示す。現地で順番が変わったように見えても、推測ではなく公式通知を確認する必要がある。
国旗またはクラブ旗がスタート合図
第20条の信号表示では、国旗またはクラブ旗をスタート合図としている。チェッカー旗はゴール合図、赤旗は危険があるため直ちに停止する指示だ。同じ旗でも役割は異なるため、スタート地点と走行中、フィニッシュ地点の表示を一括りにしないようにしたい。
灯火信号など統一規則に定めていない方法を使う場合は、バックアップ体制を含めて特別規則に記載される。大会ごとのスタート装置や運用は、統一規則だけでなく特別規則も照合するのが前提になる。
指示違反と反則スタートは扱いが違う
第24条はスタートに関する三つの扱いを分けている。第一に、スタート指示に従わない場合は、そのヒートの出走の権利を失う。第二に、スタート合図後に速やかにスタートしない場合は、そのヒートの走行タイムへ5秒を加算する。第三に、反則スタートも同じく5秒加算だ。
「スタートで問題があればすべて5秒」ではない。指示に従わないケースは出走権、合図後の遅れと反則スタートは加算という違いがある。公式結果を読む際は、元の計測タイムとペナルティー反映後の成績を区別したい。
計時は最初の線から最後の線まで
第22条によれば、計測は競技車両が最初のコントロールラインを横切った時に始まり、最終のコントロールラインを横切った時に終わる。自動計測機器で1000分の1秒以上まで測り、その計測結果を成績とする。
自動計測機器には、独立した別の自動計測器によるバックアップ体制が必要だ。センサーはコントロールライン上に置き、位置と高さを統一し、外的要因の影響を受けないよう保護する。自動計測ができない場合に限り、2個以上のストップウォッチで1000分の1秒以上まで測り、その平均タイムを成績とする。
コントロールライン上の計測機器に車両が接触した場合、第24条10項により当該ヒートは無効になる。計時設備は単なる表示機器ではなく、走行の成立に関わる設備である。
チェッカー後も減速レーン内では止まらない
フィニッシュ後の動きは第16条6項に具体的な定めがある。ゴール後の直線区間である減速レーンでは、一旦停止せず、最徐行で移動する。減速レーンを通過した後、パドックへの導入路で一旦停止してから、パドックへ移動する。
つまり、フィニッシュラインを越えた直後にその場で止まる運用ではない。「最徐行」と「一旦停止」の場所を分けている点が重要だ。走行を終えた安堵から独自の動きをせず、コース配置とオフィシャルの指示に従う必要がある。
赤旗が出た走行は通常のフィニッシュと分ける
競技中断時は通常のゴール手順とは異なる。第21条は、事故、故障車、天候などにより競技を中断する必要がある場合、競技長が赤旗表示を決定すると定める。赤旗と同時に、走行中の車両は直ちに競技走行を中止し、オフィシャルの指示に従う。
赤旗を見てから通常どおり最終コントロールラインを目指すのではない。再出走が認められるか、元の走行がどう扱われるかは、当該大会の決定と公式通知で確認する。中断の指示とチェッカーによるゴールを混同しないことが必要だ。
走行前後の確認事項
スタートからパドックへ戻るまで、確認する順番は次のようになる。
- スタートリストと公式通知で自分の順番を確認する
- スタート地点で国旗、クラブ旗、灯火など大会の合図を確認する
- 合図とオフィシャルの指示に従って走行を開始する
- コントロールラインと計測設備に接触しない
- チェッカー後は減速レーンを最徐行し、導入路で停止する
- 赤旗の場合は通常のフィニッシュ手順ではなく指示に従う
スタートの5秒加算、1000分の1秒までの計時、フィニッシュ後の移動は別々の規定に置かれている。時系列でつなげて読むことで、結果表の数字と競技現場の手順を対応させやすくなる。