2026/8/17 / ダートトライアル / GRIDLINE 編集部

ダートトライアルの再出走と競技中断|赤旗後に規則で確認できること

ダートトライアルで走行中に赤旗が出たとき、その場で確定しているのは競技走行をやめて運営の指示へ移ることだ。赤旗が出れば必ず同じ順番で再出走できる、あるいはそのヒートが自動的に無効になる、とまでは2026年全日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権統一規則に書かれていない。

本稿は統一規則第18条、第20条、第21条と、選手権規定第30条、第31条を軸に、ダートトライアルの中断、再出走、短縮について確認できる範囲を切り分ける。旗の種類そのものや通常の2ヒート制の解説ではなく、進行が止まった後に何を確認するかへ焦点を置く。

赤旗は「危険あり、直ちに停止せよ」

統一規則第20条では、赤旗の意味を「危険有り直ちに停止せよ」と定める。事故や故障車でコースが閉鎖された場合、または天候その他の理由により競技続行が不可能となり、中断が必要になった場合、競技長が赤旗表示を決定し、オブザベーションポストでも赤旗が表示される(第21条1項)。

走行中の車両は、中断の合図と同時に直ちに競技走行を中止し、オフィシャルの指示に従わなければならない(第21条2項)。自分の判断でアタックを続けることも、戻る経路や再スタートを決めることも規則上の手順ではない。

中断条文だけでは再出走の権利まで決まらない

第21条は赤旗を決定する状況と、走行中のドライバーが取るべき行動を定める。一方で、赤旗を受けた全車に必ず再出走を与える、出走順をどこへ戻す、記録済みタイムをどう扱う、という共通処理は同条に明記されていない。

したがって、赤旗を見た時点で「再出走確定」と判断しないことが重要になる。競技長、オフィシャル、公式通知の指示を待ち、大会特別規則に中断後の運用があるかを確認する。公式資料で確認できない手順を、他大会の経験やサーキットレースの赤旗運用から補うことはできない。

再出走が指示された車両に許される作業

再出走そのものが決まった後、統一規則第18条1項はダートトライアル車両へ認める作業を限定している。主催者が指示した場所で行えるのは、ボンネットの開閉、タイヤの空気圧調整、窓拭き、水による冷却だけである。その他の作業はすべて禁止される。

これは再出走を受ける条件を定めた条文ではなく、再出走車両に対して行える作業範囲を定めた条文だ。中断待機中に修理や部品交換を自由に行えるという意味ではない。作業場所もチーム側で任意に選べず、主催者の指示に従う。

同じ第18条には「同一車両による重複参加」で前走者から後走者へ交代するときの別規定もある。こちらはバーストしたタイヤを一定条件で2本まで交換できるが、再出走車両の作業範囲とは別である。二つのケースを混同すると、再出走待ちに許されない作業を行うおそれがある。

競技の短縮と成立は審査委員会が決定

保安上または不可抗力により競技会の実施・続行が難しい場合、選手権規定第31条1項は、競技会審査委員会の決定により成立、延期、中止、短縮を行う場合があるとする。競技は第1ヒートが終了した時点で成立する(同条2項)。

このため、予定された第2ヒートが実施できない状況でも、第1ヒートを終えていれば競技成立の規定がある。ただし、参加者が独自に「第1ヒートの順位で確定した」と宣言できるわけではない。審査委員会の決定と正式結果を確認する必要がある。

通常の順位決定は選手権規定第30条による。原則2ヒートで、良好なヒートのタイムを採用する方式、または2ヒート合計を採用する方式のどちらかを特別規則に明示する。中断や短縮があった日は、当該大会がどちらの方式を選び、審査委員会がどのように競技を成立させたかを公式文書で追う。

赤旗後の確認順序

競技中断時は、次の順で情報を確定させたい。

  1. 赤旗を確認したら競技走行を中止し、オフィシャルの指示に従う
  2. 再出走の可否、出走順、待機場所について競技長側の指示を待つ
  3. 再出走が認められた場合、第18条で許された作業だけを指定場所で行う
  4. 短縮や成立に関する競技会審査委員会の決定を公式通知で確認する
  5. 暫定結果ではなく、審査手続後の正式結果を確認する

統一規則が明示するのは、安全のため直ちに走行を止めることと、再出走車両への限定的な作業範囲である。再出走の発生条件や中断後の細かな並べ直しは一律に推測せず、その大会の特別規則と公式指示に委ねるのが正確だ。

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