2026/8/25 / ダートトライアル / GRIDLINE 編集部

全日本ダートトライアルのダブルエントリー|交代時にできる作業とタイヤ交換申告

1台の競技車両を2人のドライバーが使う「ダブルエントリー」は、車両準備の負担を分けられる参加方法だ。ただし、誰とでも、どのクラスをまたいでも重複参加できる制度ではない。さらに全日本ダートトライアルでは、前走者から後走者へ交代する短い時間に車両へ施せる作業が限定される。

2026年日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権規定と、2026年全日本選手権統一規則を分けて読むと、参加枠の条件と現場作業の条件を整理できる。本稿では全日本ダートトライアルを対象に、申込前からヒート後までの確認点をまとめる。

同一クラス内で2名までが全日本の基本

全日本ダートトライアル選手権では、同一車両による重複参加は同一クラス内に限り2名まで認められる。3名で1台を使うことや、同じ車両を別クラスへまたがって登録することは、この規定からは認められない。

地方選手権については、同一車両による重複参加を2名まで認めるとの規定で、全日本の条文にある「同一クラス内に限り」という書き方とは区別されている。出場するシリーズの格式を確認せず、地方選手権の条件を全日本へ持ち込まないことが重要だ。

申込時には、大会の特別規則と参加申込様式で、重複参加者の記載方法、ゼッケン、参加料、車両申告の単位を確認する。全国共通規則は人数上限を示すが、書類の欄や提出方法までは各大会で同じとは限らない。

交代作業は主催者が指示した場所だけで行う

統一規則第18条は、同一車両による重複参加で前走者から後走者へ交代するときの作業場所を、主催者が指示した場所に限定する。パドックの自チーム区画で自由に作業してよいという意味ではない。

競技コース図には、重複参加者の交代場所を記載することとされている。大会当日は、最新版のコース図と公式通知を確認し、前走者のフィニッシュ後にどの経路で交代場所へ入るか、後走者がどこで待機するかをチーム内で共有したい。

出走順は原則としてゼッケン順である。重複参加だから任意の間隔が与えられるとは規定されていないため、車両の移動、乗員交代、ベルト調整を含め、主催者の進行に従える準備が必要になる。

ダートで認められるのは列挙された作業だけ

全日本ダートトライアルで前走者から後走者へ交代する際、車両に対して認められる作業は次のとおりだ。

  • ボンネットの開閉
  • タイヤ空気圧の調整
  • 窓拭き
  • 水による冷却
  • 条件を満たすバーストタイヤの交換

統一規則は、これら以外の作業を禁止している。「短時間なら軽整備も可能」「安全のためなら部品交換も当然に可能」と推測してはいけない。異常が見つかった場合は、独断で作業を広げず、競技役員へ申告して指示を受ける。

ジムカーナの交代時に認められる作業とは内容が異なる。ダートトライアルには水による冷却と、条件付きのバーストタイヤ交換が明記される一方、ジムカーナではタイヤ清掃の方法が定められている。競技種別を取り違えないようにしたい。

バーストタイヤは同一溝パターンを2本まで

重複参加の交代時に交換できるのは、バーストしたタイヤである。交換品は同一溝パターン、同一銘柄、同一サイズに限られ、最大2本までとされる。

交換する場合は、作業前、または後走者の当該ヒート走行後速やかに、タイヤ交換申告書を提出する必要がある。交換だけを終えて申告を後回しにする運用は避けたい。申告書の配布場所、提出先、署名者は大会の受付資料で事前に確認する。

この交代時の規定とは別に、通常の第1ヒートでタイヤがバーストした場合にも交換条件と手順がある。そちらは第1ヒート走行終了直後に技術委員長または技術委員へ口頭申告し、確認後に必要事項を記した書面を添える手順である。重複参加の交代と一般のヒート間交換を同じ手続きだと思い込まないことが必要だ。

再出走と重複参加では交換条件が違う

統一規則第18条は「再出走」と「同一車両による重複参加」を同じ条文で扱うが、ダートトライアルで許される作業は同一ではない。

再出走車に認められるのは、ボンネットの開閉、空気圧調整、窓拭き、水による冷却である。重複参加の交代時にあるバーストタイヤ交換は、再出走の作業一覧には含まれない。赤旗等によって再出走となった場面で、ダブルエントリー時の交換条件をそのまま適用することはできない。

判断は「なぜ次に走るのか」で分ける。前走者から後走者へドライバーが替わる重複参加なのか、同じドライバーに再度の競技走行が与えられた再出走なのかを確認し、それぞれの作業一覧に従う。

申込前と当日に分けた確認表

申込前には、次の4点を確認する。

  1. 全日本ダートトライアルの同一クラスで2名以内か
  2. 2名それぞれの参加申込と車両情報が大会様式に記載されているか
  3. 特別規則に重複参加の追加条件がないか
  4. 交代に必要なシート、ハーネス等の調整を列挙作業の範囲で行えるか

当日は、最新版のコース図で交代場所を確認する。空気圧計、窓拭き用具、冷却用の水をすぐ扱える状態にし、タイヤ交換申告書の入手先と提出先も把握する。交換候補タイヤは同一溝パターン、銘柄、サイズであることを事前に照合する。

ダブルエントリーの要点は、1台を共有できることだけではない。人数とクラスの条件、指定された交代場所、限定された作業、タイヤ交換申告を一つずつ満たして初めて、規則に沿った運用になる。

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