2026/8/19 / 海外フォーミュラ / GRIDLINE 編集部

FIA F3のスターティンググリッドはどう決まる?|予選・リバース・降格処分

FIA Formula 3では、一度の予選結果からスプリントレースとフィーチャーレースという二つのスターティンググリッドを作る。ただし、土曜は予選上位12台を反転し、日曜は最速タイム順を基本とするため、同じ予選順位でもスタート位置は異なる。さらに107%基準、予選タイム未記録、グリッド降格処分が加わると、予選結果表と最終グリッドは一致しない。

本稿は、FIAが2026年2月23日付で発行したF3競技規則V2の33〜36条を中心に、グリッドが組み上がる順番だけを整理する。週末全体の進行やポイント配分ではなく、予選から各決勝のスタート位置へ至る規則に焦点を絞った。

30分の予選が二つの決勝の基礎になる

規則33.1条は、スプリント前日に30分の予選を1回行うと定める。33.4条によれば、この予選で走った全周回がスプリントとフィーチャーのスタート位置を決めるために計時される。つまり二つの決勝に別々の通常予選があるのではなく、一つの予選分類を異なる方法で並べ替える仕組みだ。

例外はモナコとモンツァ。33.3条では車番の偶数・奇数によりA、Bの2グループを作り、別の時間帯に走らせる。両大会のグリッドには、このグループ予選に対応した特別な組み方が35.2条と36.2条に設けられている。通常大会の単純な総合タイム順や上位12台反転を、そのまま当てはめることはできない。

フィーチャーは各ドライバーの最速タイム順

日曜フィーチャーの基本は明快だ。36.1条により予選終了後に各ドライバーの最速タイムが公式発表され、36.2条により、その速い順でグリッドを作る。同一タイムを複数のドライバーが記録した場合は、そのタイムを先に出したドライバーが優先される。

モナコとモンツァでは、2グループの総合最速がポールとなり、もう一方のグループ最速が2番手、ポール側グループの2番手が3番手というように、両グループを交互に配置する方式を採用できる。総合タイムだけを縦一列に並べるのではなく、どちらのグループで記録したタイムかも位置を左右する。

スプリントは予選上位12台を反転する

通常大会のスプリントは35.1条が基準。予選1位から12位までを反転し、予選12位がスプリント1番手、11位が2番手、1位が12番手となる。予選13位以下は反転せず、予選と同じ位置からスタートする。

ここで「全車を逆順にする」と理解すると誤りになる。反転範囲は上位12台のみで、13位以下はそのまま。予選12位と13位の間が制度上の境界になる。なお、これは処分適用前の基礎となる並びであり、最終グリッドには後述する降格処分などが反映される。

モナコとモンツァのスプリントでは35.2条の交互配置を用いることができる。総合最速者は12番手、もう一方のグループ最速者は11番手となり、各グループの上位6台を交互に逆向きに配置する。7番手相当から先もグループを交互に並べる規定例が示されている。

107%超過や未計測は自動的に最後尾ではない

34.2条では、予選ベストが最速タイムの107%を超えたドライバー、またはタイムを記録できなかったドライバーは、原則としてレースへ参加できない。単に「最後尾スタートになる」と決まっているわけではない点が重要だ。

ただし例外的事情があれば、スチュワードはフリー走行で適切なタイムを記録したことなどを考慮し、出走を認めることができる。認められた車両は、ほかの処分を適用した後のグリッド最後尾に置かれる。対象が複数ならフリー走行の分類順となる。さらに、そのドライバーが予選中に別の処分も受けた場合は、ピットレーンスタートが必要になる。

予選自体が中止ならフリー走行結果が両レースの位置を決め、予選とフリー走行の両方が中止なら、その時点の選手権順位を用いる。この代替手順も34.2条に明記されている。

グリッド降格は基礎グリッドに順序立てて適用

34.5条は、通常の空グリッド、またはスプリント用に35.1条・35.2条で作ったグリッドを起点として、降格処分を適用する手順を定めている。まず処分対象の分類済みドライバーには、基礎となる分類位置へ降格数の合計を加えた「暫定位置」を割り当てる。同じ暫定位置になった場合は、予選で遅かった側がその位置を保持し、もう一方を直前へ置く。

次に、処分のない分類済みドライバーを、予選分類の順に空いている位置へ入れる。その後、暫定位置を持つ処分対象者を空き位置がなくなるよう前へ詰める。このため、たとえば3グリッド降格を受けても、最終表示上の位置差が常にちょうど3枠になるとは限らない。他車の処分や空き位置を含む全体処理で最終位置が確定する。

「最後尾スタート」の処分を受けた分類済みドライバーは、ほかの分類済みドライバーの後方に置かれ、対象者同士は予選分類順となる。スチュワードの許可を得た未分類ドライバーは、そのさらに後方。失格後に出走許可を得たドライバーは、34.5条(a)〜(e)の対象者全員より後ろに配置され、フリー走行タイム、タイムがなければ選手権順位を基準としたうえで、グリッド処分を適用する。

確認すべきは予選結果ではなく最終グリッド

暫定スターティンググリッドは、フォーメーションラップ開始の2時間前までに公表される。出走不能車が出れば空きを詰め、最終グリッドは同1時間前に公表するというのが34.3条の手順だ。したがって観戦時にスタート位置を確定する資料は、予選結果表だけではなく、公式の最終グリッドになる。

読み解く順番は、通常大会かモナコ/モンツァか、スプリントかフィーチャーか、107%超過・未計測者に出走許可があるか、降格や最後尾処分があるか、そして出走取り消しによる繰り上げがあるか。各段階を分ければ、予選順位と実際のスタート位置が違う理由を規則に沿って追える。

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