FIA-F4のレースウイーク進行ガイド|予選・グリッド・決勝を規則で読む
2026年のFIA-F4は、チャンピオンクラス(CH)とインディペンデントクラス(INDP)が別々に走る。公式予選のベストタイムとセカンドベストタイムが異なる決勝のスターティンググリッドにつながるため、週末の進行を知らずにリザルトだけを見ると、日曜の並びを読み違えやすい。
本稿は、JAF「2026年日本レース選手権規定」と「レース競技開催規定」、FIA-F4選手権公式サイトの2026年レースウイーク案内を基に、公式予選から決勝までの流れを整理する。ポイント配分と富士大会の勝敗は扱わず、セッション同士の関係に焦点を絞る。
2026年は走行をクラスごとに分離
FIA-F4公式のレースウイーク案内によれば、2026年からCHとINDPはトレーニング、公式予選、決勝のすべてをクラス別に実施する。2025年までの基本形から変わった部分であり、同じ大会内でも各クラスには別のセッションと結果表がある。
基本の流れは、木曜または金曜のトレーニング、金曜午後の公式予選、土曜の決勝レース1、日曜の決勝レース2。トレーニングの開始日は、決勝レース数と大会のタイムスケジュールにより木曜または金曜となる。大会によっては3レース制もあり得るため、常に「1大会2戦」と固定して考えず、当該大会の公式タイムテーブルと特別規則書を確認する必要がある。
公式予選はクラス別20分、JAF規定の下限は15分
シリーズ公式案内では、金曜午後に各クラス20分間の公式予選を行う。これに対し、JAF日本レース選手権規定第20条1項は、赤旗による中断時間を除いて公式予選を最少15分と定める。20分というシリーズ運用は、この規定上の下限を上回る設定である。
同条2項では、公式予選を少なくとも決勝スタートの2時間前までに終えることを原則とする。やむを得ない状況だと競技会審査委員会が判断した場合は例外が認められる(同条3項)。またFIA-F4の予選通過基準は、その公式予選で1位となったタイムの110%以内である(同条4項)。単に計測ラップを残せば自動的に決勝進出、という規定ではない。
ベストとセカンドベストが二つのグリッドを作る
FIA-F4公式案内では、公式予選中に記録したベストタイムで土曜の決勝レース1、セカンドベストラップで日曜の決勝レース2のグリッドを決める。このため、一度の最速ラップだけで週末の二つのスタート位置が決まるわけではない。2番目に速い有効ラップも、日曜の位置を直接左右する。
一方、JAFレース競技開催規定第18条は、グリッド決定方法を競技会特別規則またはシリーズ規則に明示するよう求めている。つまり、上記は2026年FIA-F4が公式に案内する基本フォーマットであり、ペナルティーや公式通知による変更まで含めた最終グリッドは、各大会が発行する文書で確定する。予選結果表と決勝の最終グリッドが一致しない場合は、失格や降格を推測せず、審査委員会決定と公式通知を照合したい。
決勝は基本2レース、各60kmまたは最大30分
シリーズ公式案内による基本形は、土曜に決勝レース1、日曜に決勝レース2をクラス別に行う構成である。各決勝は60kmまたは最大30分間。例外的な3レース制大会ではレース3が加わる。
この60kmという運用は、JAF日本レース選手権規定第4条1項がFIA-F4の1ヒート競技に定める最短30km、最長30分または100kmの範囲内にある。同条は、実際のレース距離をレースごとの競技会特別規則書で定めるとしている。サーキットにより1周の長さが異なるため、「60km」は同じでも周回数は一律ではない。走行前に確認する数値は、シリーズ紹介だけでなく当該大会の周回数と制限時間である。
競技会審査委員会は、保安上の理由または不可抗力がある場合、スタート前までに当初の距離を短縮できる(同条2項)。したがって、予定距離と実施距離が異なったときも、直ちに規則違反とは判断できない。
スタート方式は大会文書まで確認する
JAFレース競技開催規定第19条1項が認める通常の方式は、スタンディングスタートとローリングスタートの二つ。安全管理上必要な場合、競技長はFIA国際モータースポーツ競技規則付則H項に従い、セーフティカー後方からのスタートを選択できる。同条2項は、信号灯によるスタート合図を同付則H項2.5.6に準じるものとしている。
ただし、この開催規定だけでは、すべてのFIA-F4決勝に一つの方式を固定していない。実際に採用する方式、グリッドへの進入、フォーメーション、信号手順の大会別詳細は、シリーズ規則、競技会特別規則、ブリーフィング資料、公式通知の確認対象となる。観戦時も参加時も、一般規定から特定大会の手順を推測して補わないことが重要だ。
週末を読む四つの確認点
2026年FIA-F4の進行は、次の順で追うと整理しやすい。
- CHとINDPのどちらのセッションか
- 公式予選のベストかセカンドベストか
- 当該大会が2レース制か3レース制か
- 特別規則・公式通知で最終グリッドとスタート方式がどう確定したか
基本フォーマットは週末の骨格を示すが、周回数、時刻、最終グリッド、スタートの細部を確定するのは大会文書である。予選表から決勝を読むときは、タイム順位だけでなく、対象レースと公式通知まで一組で確認したい。