スーパーフォーミュラの予選とグリッド決定|107%、黄旗、同タイムを規則で読む
SUPER FORMULAの予選結果を見るとき、最速タイムだけを追うと見落とす情報がある。次のセッションへ進める人数、黄旗区間を通った周回の扱い、同タイム時の優先順位、107%という通過基準、そして暫定予選結果と最終グリッドの違いである。
2026年全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則は、公式予選の基本方式と決勝グリッドの組み方を定める一方、実際にどの方式を使い、各セッションから何台を選ぶかを大会文書に委ねている。本稿では第27条「プラクティスセッション」と、続くスターティンググリッドの規定を基に、公式記録を読む順番を整理する。個別大会の時間割や進出台数は、当該大会の特別規則と公式通知で確認する前提である。
予選方式は大会文書で確定する
統一規則が示す選択肢は、少なくとも20分の公式予選、ノックアウト予選方式、そして中止・延期レースを代替開催する際のグリッド決定方法である。オーガナイザーは採用する方法を競技会特別規則へ明記しなければならない。天候など不可抗力の場合は、競技会審査委員会の決定による。
したがって、年間規則を読んだだけでは「必ずQ1とQ2の二段階」「Q1は二組」とまでは断定できない。ノックアウト方式は最大3セッションで構成でき、参加車両や予選時間を分割して実施することも可能だが、その週末の構成は大会文書で初めて確定する。
観戦前は、公式タイムテーブルだけでなく特別規則と公式通知を確認したい。中継や速報でQ1、Q2という呼称が使われていても、出走できる台数やセッション時間は、別大会の記憶から補わず、その大会の発表に合わせて読む必要がある。
ノックアウト方式ではタイムを次へ持ち越さない
ノックアウト予選は最大3セッションで構成され、各セッションの間には10分のインターバルが置かれる。最初のセッションは最大20分で、すべての車両が出走可能。中間または最終セッションも最大20分で、特別規則が定める各セッションの上位車両だけが出走できる。
重要なのは、前のセッションで記録したラップタイムを次のセッションへ持ち越さない点である。Q1で全体最速だったとしても、最終セッションの順位はそこで改めて記録したタイムで決まる。セッションごとの路面温度、風、赤旗の有無が違えば、単純なタイム比較だけでは各車の最終順位を説明できない。
規則は、各セッションで発生した事象への抗議と控訴の扱いを、最終セッション終了まで保留するとしている。予選直後の表示が最終確定とは限らないため、記事や観戦記録では、ライブタイミング上の順位、暫定結果、正式結果を分けて扱うのが安全である。
107%基準はノックアウトならQ1を見る
公式予選の通過基準タイムは、原則として予選総合1位タイムの107%以内である。ノックアウト方式では、Q1で達成された1位タイムの107%以内が基準になる。最終セッションへ進めなかった車両でも、決勝出走の基準を確認するときはQ1の記録が重要になる。
参加車両が26台未満の場合、車検で安全性が確認された全競技車両には原則として決勝出場権が保障される。ただし、シリーズ初参加ドライバーは例外である。初参加ドライバーが基準タイムを達成できなかった場合、エントラントはオーガナイザーを通じ、競技会審査委員会へ決勝出走嘆願書を提出できる。
嘆願が自動的な救済を意味するわけではない。既に予選通過した車両を除外しないこと、基準タイムを出す能力があると判断されること、安全事項について保証されていることなどが条件となる。提出期限も暫定結果発表後30分以内と定められているため、107%超過だけを見て即座に「決勝不出走」と断定せず、決勝出走許可車両の公表まで確認したい。
黄旗周回、赤旗原因車、同タイムには別ルールがある
公式予選中、黄旗提示区間を走行した車両の当該周回タイムは、予選結果として採用されない。画面上で一時的に速い数字が見えても、黄旗区間を含む周回なら有効結果に残らない。最終結果を見る際は、削除されたラップの有無を公式記録や通知で確認する必要がある。
赤旗は、コースの安全確保、清掃、車両回収が必要な場合に競技長が表示できる。中断後の予選時間を延長するか短縮するかは競技会審査委員会が決定する。コースアウト車が自力で自己のピットへ戻れば以降の予選へ出走できるが、競技役員の援助を受けた場合、または赤旗中断の原因となった車両は再びコースインできない。
全周回はグリッド位置決定のため計時され、チェッカーフラッグ後に計測された最終周回タイムも有効である。2台以上が同タイムなら、そのタイムを最初に記録した車両が優先される。「同じ数字だから同順位」ではなく、記録順まで結果表の序列に関わる。
予選順位と最終グリッドは同じとは限らない
決勝スタートを許可されたドライバーの一覧は公式予選終了後に公表される。スターティンググリッドは原則として決勝スタートの1時間30分前までに発表され、1大会2ヒート制の各ヒートでは1時間前までとされる。予選結果が出た時点と、最終グリッドが確定する時点は別である。
ノックアウト方式による1レース制、または2ヒート制の第1ヒートでは、最終セッション最速のドライバーがポールポジションを得る。以降は最終セッション、その前のセッションという順で結果に基づき配列される。つまり、Q1で敗退した車両が、最終セッション進出車より速いQ1タイムを持っていても、その数字だけで前方グリッドへ入るわけではない。
出走不能車の扱いも一様ではない。参加者が所定時刻までに撤退を通知し、1台以上が撤退した場合はグリッドが詰められる一方、ポールポジション車が出走できない場合はポールの枠を空席のまま残す。最終グリッド発表後に着けなかった車両の位置も空席となり、他車は各自の位置に留まる。
公式記録は四段階で確認する
予選を正確に追うには、第一に当該大会の予選方式と進出台数、第二に各セッションの有効タイム、第三に107%基準と決勝出走許可車両、第四に最終スターティンググリッドを確認する。この四段階を分ければ、ライブ画面の最速順をそのまま決勝配列と誤認しにくい。
特に黄旗、赤旗、同タイム、救済申請、出走撤退は、タイム欄だけでは完結しない。公式予選結果に加え、審査委員会決定、公式通知、最終グリッドを照合する必要がある。予選速報を書く場合も「タイムを記録した」「暫定で順位が示された」「決勝グリッドが確定した」を同じ意味で使わないことが、公式記録に沿った伝え方になる。
情報源
- JAF「国内モータースポーツ諸規則など」(2026年規則掲載ページ)
https://motorsports.jaf.or.jp/regulations/information/internal - JAF「2026年全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則」(第27条、スターティンググリッド規定、PDF 24〜27ページ)
https://motorsports.jaf.or.jp/-/media/1/3375/3379/3400/3462/3466/3492/2026_touitsu_kisoku_superformula_20260101.pdf